鎌倉の英語・フランス語・イタリア語の教室

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ラ・プティット・エコールの授業のサンプル

ラ・プティット・エコールには、生徒さんの目的により、2種類のコースがあります。1つは、フランス語あるいは英語の検定試験などの受験を考え、これらの言語を体系的に理解して使えるようになりたいと希望している生徒さんのための専門的なコースです。もう1つは、言語のエキスパートになる必要はないけど、フランス語圏や英語圏の国に旅行してみたい、また外国の文化に興味があり少し体験してみたいといった関心をもつ生徒さんのためのカジュアルな会話学習コースです。

ここで紹介するのは、前者の少し専門的な学習をしたい生徒さんのための授業のサンプルです。

他のあらゆることと同様に、言語の学習には、「理論的な側面」と「実践的な側面」があります。人によってはこのうちのどちらかのみを好んで勉強してしまう傾向がありますね。私の考えでは、二つのことは切り離すことができません。車の運転を学ぶときは、運転規則とハンドル操作を学ばなければ運転できるようにはなりません。しかし、たとえ全ての運転規則とハンドル操作を覚えても、初めて実際に車を運転してみたとき、エンジンをかけたとたんにエンストを起こしてしまったという経験が誰にでもあるでしょう。つまり、その車の実際の反応を「感じる」ようになるためには、時間と実践(実際に運転してみること)が必要です。
言語の学習でも同じです。

それでは、インターネット上でできる範囲で、私たちのラ・プティット・エコールで行なうのと同じ授業をしてみましょう。ここでは「冠詞」の用法を学びましょう。これは、多くの生徒さん、しかも上級の生徒さんでさえも、つまずいてしまうことの多い課題です。

では始めましょう!フランス語を頑張りましょう

日本語には「冠詞」がありませんね。少なくともその点では、日本語はやさしい言語です。英語には2種類の冠詞があり、フランス語には3種類の冠詞があります。
なぜ3種類も・・・? このことは後で考えることにしましょう。

まず、英語にもフランス語にも共通する2種類の冠詞に注目してみましょう。

「定冠詞」(フランス語 : le, la, les、英語 : the)と「不定冠詞」(フランス語:un, une, des、英語:a, an)です。

定冠詞と不定冠詞はどう違うのでしょうか?
文法的に言えば、これは「区別」あるいは「限定」の問題です。定冠詞と不定冠詞の違い
具体的には、次のように説明できます。

定冠詞を用いた1つの例文を挙げます。

Je veux acheter le pantalon que j'ai vu hier.
昨日見たズボンを買いたいな。

このときの「pantalon ズボン」は、どこにでもあるズボンではなく、あなたが昨日見た特定のズボンのことですね。つまりこのズボンは「区別」あるいは「限定」されたものです。ここまでは、フランス人であろうと日本人であろうと、同じように考えているはずです。もともと頭のなかにあること、言おうとしていることは同じです。「昨日見たズボンを買いたいな」と言うとき、ズボンに対して与えられた「区別」や「限定」、これは日本人でもフランス人でも同じように感じていることですね。しかし、日本語には冠詞がないので、ここで問題は終わりです。フランス語あるいは英語は、日本語よりさらに厳密です。これら2つの言語では、「区別」「限定」という考え方を表すために「定冠詞」というものを単語に添えるのです。

Je veux acheter le pantalon que j'ai vu hier.定冠詞が分かった

次に、不定冠詞を用いた例を挙げます。

Je vois des voitures dans la rue.
道路に車が見える

このとき何を考えているのでしょうか?特定の車ですか?いいえ、違いますね。複数の、かつ特定の車ではない「車一般」です。これは区別・限定されていない、どれでもない車一般です。そしてこの考えを表しているのが「不定冠詞」です。

どうでしょうか?少しはっきりしてきたでしょうか?不定冠詞が分かった

Je vois des voitures dans la rue.
道路に車が見える。・・・「さまざまな車」
La voiture rouge, c'est la voiture de Tanaka.
赤い車は田中さんの車です。・・・「特定の車」

このように、「定冠詞」と「不定冠詞」は、ある物についての「二つの相対する捉え方」を表しているのです。つまり、「特定されない、どれでもない物」なのかあるいは「この物」なのか、という二つの相対する捉え方です。定冠詞と不定冠詞について

では、3番目の冠詞について考えましょう。

これは、さらに異なる考え方・捉え方を表しています。ここでは「区別」「限定」が問題になっているのではありませんフランス語の冠詞は難しそう

テーブルの上に「リンゴジュース」があり、誰かが「これは何ですか?」と尋ねたとします。さてこの質問に答えるとき、あなたは、このジュースを作るために使われたリンゴがどのリンゴかとか、あるいはどれでもないリンゴ一般なのかとか、そうした区別については考えませんね。あなたが考えているのは、むしろ、物・素材・材料である限りのリンゴ、つまりリンゴの物質としての側面そのものなのです。物に対するこうした捉え方を表すために、英語では「some」という語を用い、フランス語では部分冠詞「du, de la」を用いるのです。

次の例も、一つの物との関係を持たない表現です:

Je fais du sport.
私はスポーツをします。

このときの「スポーツ」はある特定のスポーツでもなければ、またスポーツ一般でもありません。

「部分冠詞」とは、その名のとおり、「部分」ということから来ています。ある教科書では、部分冠詞を「数えられるものか/数えられないものか」という観点から説明しています。確かにこれは正しい説明です。フランス語の部分冠詞について

しかし、本来のポイントは、物に対する「捉え方」「考え方」にあります。たとえば、コーヒーという言葉を考えましょう。コーヒーとは、基本的には液体ですから、数えることができません。ですからコーヒーが欲しければ、je veux du caféと、部分冠詞を用いて表現します。ここで頭の中で考えているのは、物・素材である限りのコーヒー、カップの中の黒い液体のことです。リンゴでも同じことですね。ジュースのもとになっているリンゴは、素材としてのリンゴであり、数えられる、形を持ったリンゴではありません。

さて、もしあなたが、素材である限りのコーヒーを考えるのではなく、ある選択の対象としてのコーヒーを考え始めるなら、どうでしょう。たとえば、あなたが飲んだことのある、ある特定のコーヒーを考え始めるなら、今度は「定冠詞」を用いるわけですね。

「私は田中さんの淹れるコーヒーが好きです」「J'aime le café de madame Tanaka」というように。このとき、コーヒーは「数えられる」ものになっているのです。「私は、田中さんのコーヒーが好きです。佐藤さんのコーヒーはあまり好きではありません。」といえば、コーヒーは少なくとも「2つ」のコーヒーになっています。部分冠詞が分かった

次に、肯定文と否定文での冠詞の使い方について見てみましょう。

フランス語の冠詞

なぜ、肯定文un gâteauは、否定文ではpas de gâteauとなり、また、肯定文le gâteau否定文でもle gâteauと、そのまま変化しないのでしょうか?

「Je n'ai pas le gâteau d'anniversaire pour ce soir」「私は今夜の誕生日のケーキを持っていない」では、「今夜の誕生日のケーキ」という区別限定が何よりも重要です。

「Je n'ai pas de gâteau」「私はケーキを持っていない」では、区別・限定は全く関係ありません。ただ、あるか/ないかだけを考えているのです。

どうでしょうか?冠詞と否定形が分かった

では最後の問題を見てみましょう。

次のようなフレーズの下線部分には、なぜ冠詞が無いのですか?という質問をよく受けます。

-un magasin de vêtements 洋服屋
-un plat de légumes  野菜料理
-un bouton de manchette カフスボタン

これを理解するためには、文法書を調べる必要はありません。フランス語の文法の勉強
単純な例を挙げてみましょう。子供が、車のドアを閉めずに車から降りたとしましょう。するとお母さんは次のように言います:

Ferme la porte de la voiture!
車のドアを閉めなさい!

このときお母さんが考えているのは、あるドア、つまり車のドアです。したがってここには2つの物、1つのドアと1つのがあり、これらがdeという前置詞で結ばれているのです。

さて今度は、駐車しようとした別の車が、この車のドアにぶつかり、ドアを修理しなくてはならなくなりました。ぶつけた人は、修理工場に電話し「車のドアの在庫がありますか」「Avez-vous une porte de voiture en stock?」と尋ねています。

さて、ここでのune porte de voitureという表現には、冠詞が一つしかありません。なぜならば、ここではもはや1つの物しか考えられていないからです。
つまり、1つのドアと1つの車という2つの物ではなく、「車のドア」という1つの物ですフランス語の冠詞をマスターした

しかもこれから、どれでもよいドア一般ではなく、彼らが必要になった車のドアという限定をされたらどうなりますか?

→ La porte de voiture...「定冠詞」

これと同じように、「un plat de légumes」と言うときは、1つのお皿と1つの野菜という二つの物を考えているのではなく、「野菜料理」という1つの物を考えているのです。その場合は、「légumes」の前の冠詞は無くなります。

分かりましたか?

すっきりした

言語の勉強をするときにぶつかる多くの問題は、もし、皆さんが規則とその規則の意味をしっかりと捉えようと努力するならば、簡単に解決できるようになります。言うまでも無く、何を言おうとしているのかをじっくりと考えることが大切です。

日本語のほんの短いフレーズを、フランス語に訳そうとするときのことを考えてみてください。そのフレーズが用いられている状況や意図が分からなければ、フランス語でこれを正しく訳すことはほとんど不可能です。

ただ機械的に日本語にしたのでは、もともとフランス語や英語が持つニュアンスを正確に表すことはできません。しかし、文脈やそこに隠された物に対する捉え方・考え方、もともと何を頭の中で考えているのか、そういうことに着目するならば、いろいろなことがより明確に見えてくるでしょう。冠詞が全部分かったフランス語が分かった